土曜日はかおるちゃんが泊まりに来てくれました。
献立はこんなです。
ジャガイモのピュレ、アスピックと夏野菜添え
シャブリで洗ったチーズと生・干果物添え
ナスのキャビア風
鰯の香梅焼き
チキンのディアボラ風
大人のブラウニー、軽井沢のルバーブジャム添え
書いてみると大層に見えますが、段取りさえしていればとても簡単な料理ばかり。
料理は段取りがとても大事です。私は料理を仕事にしていた頃、常に逆算して準備するよう鍛えられました。19時に出す料理ならどこまで下ごしらえしておくべきか、前日にすることは、半日前にすることは、直前にすることは・・・・とかかる時間と手間と作業から生まれる効果とを考えて仕事を組んでいきます。包丁持って料理に取りかかる前のこの「段取り」に必ず時間を使い、その日の仕事を打合せするのが習わしでした。
家庭料理程度であれば無意識のうちに身体が動きますが、ちょっと品数が増えたり、工程が複雑な料理をするときは必ず段取りをします。そして段取り通りに仕事を進めるには、片づけながら料理をするということも大事です。片づけは環境を整えることです。その辺にボウルが散らかっていたり、汚いまな板でははかどりません。そして準備を全て終えたり、料理が終わったら必ずガス台とシンクとを磨き上げます。これは次の日にお店に入る人のためにする環境整備。お店に入ってすぐに仕事にかかれるようにという思いやりなのです。
ただ、料理というのは段取りしていても材料や料理自体が変わることはしょっちゅうです。そのため、臨機応変な環境適応能力も求められます。動ぜず、今ある材料で何ができるのか、そういう時はクリティカルな見方とセンスが必要です。
それから、お店というのはある特定の人に贔屓をするべきではないと私は思っています。どのお客様もお客様には変わりはない。いつも来て下さる人と同じように初めてのお客様にも真摯に感謝をこめて接しよう、ということも教わりました。
「段取り力」、クリティカルシンキングとセンス、そしてフェアネス。
今仕事をしていて必要とされているこれらを私は料理をしながら教えていただいていたのだと、今頃になって気が付いています。
もちろん、料理人のそれとマーケッターのそれが全く同じとは思いませんが、本質的なもの、根っこのところは共通している。料理だとかマーケティングとかコンサルティングとかを超えて、段取り力、クリティカルシンキングとセンス、そしてフェアネス、これらがあればどんなシーンに出ても乗り切れるというもの。
まだまだ努力しないと、です。
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