昔からスープが好きです。
パンとスープがあればもうそれだけでいい。
小さなころからコーンスープが大好きです。今でもだけど。
小学生までは体が弱く、しょっちゅう頭痛や発熱となり寝込んでいました。
普段は厳しい母が寝込むと優しくなり(ごめんなさい!)「何か食べたいものある?」と必ず聞いてくれます。治っているのに母に優しくしてもらいたくて具合の悪いふりをしていたこともあります。
そういえば先週から食欲のない私に「何か食べたいものある?」と。母にとってはいつまでも子どもなのですね。
で、子どもの私はいつも「プリンとコーンスープ」と答えます。プリンは母が作ってくれます。卵と牛乳とお砂糖だけの素朴なプリン。今時の生クリームが入ったトロトロのではなく、しっかりと卵の味がするプリンです。私にとって母のプリン以外はプリンじゃないのです。
だから今ではそのプリンを食べたかったら自分で作るしかありません。
コーンスープはとうもろこしの粒をたくさん入れてもらいます。なぜかマグカップにいれて食べるのが美味しい。ポタージュっぽくなく、サラサラしていて牛乳たくさんのスープです。
スープのバリエーションが広がったのは湘南倶楽部で働き始めてから。18歳から27歳まで、途中、MARUの出産と育児とでお休みしたこともあったけれど、随分長い時間をこのお店で過ごしました。
おばちゃま(しんちゃん始め皆は憲子さんと呼ぶけれど、私は「おばちゃま」と「おじちゃま」と読んでいます)には段取り力を鍛えてもらい、味覚を広げてもらいました。
この二つのことは私を大きく変えたのでまた別の機会に書きます。
今日はおばちゃまからたくさんのスープを教えてもらったことを。
おばちゃまのスープで大好きだったのが、カリフラワーのポタージュ、蕪のスープ、白桃のスープ。あれ?全部クリーム色。世の中にはこんなに美味しいスープがたくさんある!と新しいスープの仕込みをする度に嬉しかったです。だから、お客様から注文があると、できるだけ美味しく召し上がっていただきたい。
冬はすぐに冷めるから気を使います。
シンクに熱湯をため、スープ皿を温めます。熱いお湯からスープ皿を引き上げて手早く拭き、熱々のスープを注ぎすぐにお出しする。
熱いものは熱く、冷たいものは冷たく。
あたりまえのことだけど、心を配って。
「おいしい~」とお客様から言葉がこぼれたらすごく嬉しい。
スープのお皿の熱さは心配りの印。なのでスープが出されるとついお皿を触ってしまいます。
今日のランチでもつい触ったお皿が冷たくて、それでこんなこと思い出しました。
コメント