河合隼雄さんの語り口がとても好きです。ご存命の時にぜひお話を伺いたかった。
河合さんの語り口は「深いことをおもしろく」に尽きます。
とても深く考えさせられるのに読了中から気づくと楽しくなり、元気のおすそ分けをもらっていたりします。
もともとは「村上春樹 河合隼雄に会いに行く」を読んだのがきっかけでした。
「小学生に授業」という本もあります。
各界の素晴らしい方が先生となり、京都の公立の小学生に授業をするという試みです。
首謀者は河合さんです。
河合さんの授業は「道徳」。
二手に分かれて難破した人と助ける人を演じます。
大声で助けを呼び、体を動かして助けに行きます。
体を使った後、子ども達は背中合わせに座り、相手の体温を感じます。
言葉がなくても心を感じ、心を感じることができれば命を助けたくなる。
人の命も大事だけど、自分の命も大事。
そんなことを体感させようと河合さんは演技するのですが、おちとしては、子どもには難しい(笑
「やることがすこし難しかったかもしれませんね。
今日はご苦労さんでした。」
で終わります。この本の中の他の授業ではピカ一で訳分からない授業でしょうね。
きっと子ども達はすっきりくっきりしなかったことでしょう。
これってなんだったの?みたいに。でも後できっと考えますよね。
わかった!ではないけれど、でも楽しくなり元気になる、そんな河合さんの授業の様子が目に浮ぶような本です。
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