突き刺さるような日差しが少しだけ弱くなり、日が暮れると虫が鳴く季節になると趣味の時間が増える。
鎌倉に住んでいた時・・・といってももう10年前になるのだが、毎週、茶道に通っていた。表千家の優しく小さなおばあちゃん先生で、鎌倉の小路を入ったところにあるこじんまりとした茶室で教わっていた。お菓子がいつも美味しくて、先生が立てるお茶がホントに美味しくて、先生に立てていただきたいがために、生徒が少ない時間を狙って通っていた。
悩みやなんかをみんな忘れて、お釜から上る湯気のシュンシュンという音、つくばいの音に囲まれて、とげとげの心が滑らかになるのを感じながら先生といただくお茶とお菓子はとても美味しかった。
東京に来て、MARUを産み、そんな安らげる場所にくつろぐ余裕がないままがむしゃらに走ってきたこの数年間。気付いてみると、鎌倉の山と海と空気と日の光、そして自然が出す音を恋しがっている自分がいる。なのに日々の生活に追われてなかなか週末、鎌倉に行くことが出来ない。
・・・出来ない、行けないと言い続けるのも嫌になり、この秋は昔の安らぎの場所を見つけたいと思う。
全部実現するのは難しいと思うけれど、
- 茶道を習う。MARUも一緒に。
- 鎌倉に月1回は戻る。祖母のところも顔を出す。
- 日本刺繍を習う。
- 着付けもおさらいする。
刺繍は、本当は田山啓二さんやKEITA MARUYAMAのように思うがまま絵を描くような刺繍を刺せるようになりたい。そのための基礎技術を身につけたい。フランス刺繍と違って、絹糸を撚るところから始める日本刺繍は世界の手芸技術の頂点だと私は思っている。
話はそれたけれど、暑くて汗を流していた季節には他のことをする気すらわいてこないが、涼しくなるとなんだかちょっと寂しくなり、それを埋めたいがために安らぎの場所と時間を求めてしまうのだろう。
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