今週はバレエ学校の幹事の仕事がありました。年末のご挨拶、つまりお歳暮をお渡しに。1年間で使う「のし袋」は100枚弱。
アナログ・手書きの会計ノートは引継ぎ、引継ぎ、10年分。これをまずはExcelに落とし、それぞれの費用項目の金額推移、一人当たりの負担金額など全体傾向を把握することから私の仕事は始まりました。
集まった幹事で待つ間のおしゃべりで、5年生のママのお話。
「うちは4歳からこの学校で習い始め、小学低学年までは週4回通っていたけれど、本人はバレエが好きじゃないの。6年生にはあがらないと思うわ。小さいうちから習い事を色々とたくさんやらせ過ぎて燃え尽きちゃったみたいなのよ。『何もしない時間が欲しい』と言われてしまったわ。」
踊ることが大好きなMARUのことをうらやましいとおっしゃります。
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夕飯後、「ふりつけ変わったところ見て~」と踊り始めました。
1曲踊り、「苦しい・・・」。
MARUは気道が狭いせいか持久力がありません。
ぜいぜい言いながらも「踊るのだーい好き♪」。
色々なことができても、できることが「大好き」なこととも限りません。
MARUは大好きなことにめぐりあえてラッキーでした。
でも、MARUも4歳からずっとバレエを好きだったわけではないのです。保育園時代は鎌倉のバレエ教室に東京から週に1度通っていました。通うまでの時間が長く、教室に入るまでは嫌だ嫌だとよく言ったものです。教室に入ればきれいな現役バレリーナの先生がニコニコしながら迎えてくれるので、ピタッと泣き止みます。
小学低学年は毎年増えるレッスンと、厳しい先生のレッスンに辟易とし、「疲れた」「お腹いたい」となんだかんだとレッスンをさぼろうとしてました。週に2回程度しか通っていません。それでも踊ることは好き。でも上手になるための練習はしんどい。そんな感じでした。
転機は小学3年生。夏の発表会で表彰されたのがよほど嬉しかったらしく、発表会後に「レッスンを増やしたい」と言い出しました。それまで週に2回だったのを毎日行きたいと言い出したのです。3年生からこの9月までははほぼ毎日レッスンに通いました。
1回が2時間から3時間。水も飲めずバーに寄りかかることもできず、しゃきっと立っていなければならず。ずっと踊り続ける。小さい頃だったら「つらいからもうやだ、行きたくない」と言っていたのに、「苦しいんだよね・・・今日もかー」と言いつつも「行ってきます!」。
学年が上がるにつれてやさしい先生よりも厳しい先生が多くなりました。
「稽古」とはこういうことを言うのかと思いました。基本の型を徹底的に身に着ける。
どんな厳しいことを言われても、途中で同期の苛めもどきにあっても、やめると決めませんでした。
「あ~やだな~」と愚痴を言うことはあっても。
これまでバレエは仕事にしないといい続けていたMARU。コンクールもいやだと言っていました。
最近、ちょっと変わったようです。
「もし、新しいバレエ学校の先生がMARUのバレエを見込んでくれて、『コンクールに出てみましょう』と仰ったらどうする?」
「出る。」
即答。
「バレエはお稽古の一つでいいの~。」と言っていたのに。
親の喜ぶ顔が見たいから頑張ってきたお稽古事。
それが「何があろうと共に生きていく覚悟」に変わる人だけが、プロフェッショナルになる道を進む。
その覚悟は自ら選んだ人だけが手にできます。MARUはまだまだそこから遠いところにいます。
(追記) たった今、「今日休んでいい?」と甘えた電話が。帰宅が遅くなり、急いで準備するバタバタ感が大嫌いなMARU。きちんと準備しないとレッスンに行けないのは昔から変わっていません。丁寧すぎるのも考えもの。えいやっ、でやんなきゃいけない時もある。答えはもちろん「いってらっしゃい」でした。
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