戦前は東京で暮らしていたが疎開で鎌倉の別荘に移り住み、そのまま居ついてかれこれ6,70年は経つらしい。
私だけでなく両親にとっても生まれ育った町、鎌倉。
連休フルに使って遊びに行っていたMARU。途中参加の私。MARUは山盛りの宿題を片付けると「海にいってきまーす。ジージのところにいってきまーす。」と飛び出していたそう。
MARUと海岸を散歩し、石やら貝殻やら砂で丸くなった硝子の破片を拾いながら歩く。ただ歩く。波は強く風も強い。今はまだ春の海の顔。
「MARUやっぱりね、鎌倉で、海と山があるところで暮らしたい。みんなもいるし。」
四季を感じるためにどこかへ行かねばならない生活ではなくて、否が応でも感じざるを得ない環境がいいとのこと。
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鎌倉での生活は本当に面倒くさい。でも最近はその手間がかかるところがいいなとも思う。
「海街diary」という吉田秋生さんが描いた漫画には、鎌倉でのごく普通の今の生活が丁寧に描かれている。帰りのロマンスカーで読みながら鎌倉で暮らすことを考える。
通学は?バレエは?塾は?通勤は?
問題となりそうなことのほとんどが交通に時間がかかるということ。でもバレエは元々習っていた鎌倉の教室に変えればいいし、英語塾はやめればいい。私の通勤もどうにかなるだろう。MARUも通学すると言っているし・・・。今すぐには全く無理だけれど、暮らす場所を調べるくらいは悪くないかな。
何を大事にしてこれから生きていきたいか、暮らしていきたいかをつきつめると東京は妥協案なことは明快で、真に望む場所ではない。久しぶりの二人暮らしでそこまで腹をくくれていなかったから都内で暮らすことを選んだが、2か月二人暮らしをしてみて鎌倉でもいけるんじゃないかと思える自分がいる。
毎日の暮らしの中にある、しめった海の匂い、山の木々の音、うるさいほどの虫の声、空が暗くたくさんの星が見える夜、山々に囲まれて居させてもらう安心感、ご近所さんとのお付き合い、土着のお祭り、地元でとれる魚と野菜・・・。こういう環境で育ったのによくもまあこんな都会で今まで暮らせていたなあとも思う。
別荘としてではなく生活をする、鎌倉で生きていく。
生活するのが面倒くさい鎌倉で生きるという選択肢も悪くない。
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