今年も1月31日にスイス・ローザンヌでの国際バレエコンクールが幕を閉じました。
今年も日本人が一人入賞です。1位、2位は男子、3位が15歳の日本人の女子でしたから、女子の中では最高位ということです。すごいですよね。(記事によると応募は226人。決選には20人。男子14人、女子6人。6人のうち3人が日本人だそうです。すごい!)
この20年、バレエにおけるアジア勢のクオリティはかなり高く、ローザンヌの入賞者は毎年アジア勢が占めます。そのことから、色々な国の若手でこれから伸びる男女を選抜するという趣旨に立ち戻るため国内でのビデオ審査が導入されました。熊川哲也さん、吉田都さんあたりはまだビデオ審査ではなく、チャレンジしたら誰でもがコンクールに出場できた時代です。でも、選抜はプレコンクールに始まり、本選も3,4あったと思います。今は、国内選抜後にやっとローザンヌにチャレンジでき、本選の前にワークショップがたくさんあり、本選は少ないです。このワークショップも審査対象です。本選はクラシック1つ、コンテンポラリー1つ。審査委員長が今はジョン・ノイマイヤーというコンテンポラリーの方なので、コンテンポラリーが重視されていることは、男子が1位、2位を占めたことからも予想されます。(女子のバレエ学校はクラシック偏重で、男子を受け入れているバレエ学校は先進的なところが多く、必然的にコンテンポラリーも力を入れて教えてくれるので、男子のほうがコンテに強い。)
今年3位だったのは八王子の川口ゆり子先生のバレエスクール生徒。4月にNHKで放映されるので楽しみです。ちなみに入賞すると世界のバレエスクールで1年間、招待で学ぶことができ、奨学金もつきます。ローザンヌに入賞すると、大抵、文部科学省の芸術家を海外に派遣する奨学金をもらえるので保護者としてはかなり楽なのです。
それはともかく、昨年のローザンヌでは日本人は二人入賞でした。一人はコンクール荒らしとも言われるくらい国内コンクールの上位者を数多く輩出している埼玉県のアクリ・堀本バレエの出身。今年と同じく15歳。もう一人は別のバレエ学校出身のたしか17歳。二人ともコンテンポラリーを今度MARUが通うバレエ学校の先生のお嬢さんに習っていたと聞きます。MARUはコンテンポラリーを習ったことがありません。教えていただけるといいなと思っています。コンテを踊れる人は必ずクラシックを踊れます。でも、クラシックを踊れない人はコンテを踊ることはできません。クラシックの意味は私は古典ではなく「本質」だと思っています。日本の歌舞伎や日舞や能や狂言などでいうところの「型」です。「型」は年月がたとうが引き継がれるものです。バレエにおいて型ができていることは全ての基礎なのです。日本は特に伝統芸能がある国柄なので「型」の習得には我慢強く耐えますが、その先が弱いと言われています。欧米のように自己表現を早いうちにしてしまうと、「型」が身についていないから表現をしきれないと言われています。どちらが後々強いかといえば、言うまでもなく「型」が身に付いているほうです。これからコンテンポラリーの世界でアジア勢が活躍することは目に見えています。(近年亡くなったベジャールが代表作「ボレロ」を踊る人として指名制をとっていましたが、ロレックスの広告でも有名なシルヴィ・ギエムの他に日本の上野水香(東京バレエ団)が選ばれたことからも。)
長々と書きましたが、要は環境を整えた、ってことです。
後はMARU次第。
ローザンヌとは言いませんが、比較対象がたくさんある中に入っていくのですから、刺激をたくさん受けることでしょう。
その上で自分で決めればいいと思っています。続けるもよし、やめるもよし。
私が出来ることは大人の目から見て、余りに偏っている情報を少し広げてあげることだけ。
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