日本ほどバレエのコンクールが多い国はないそう。
ローザンヌのような国際コンクールでの日本人の入賞は目覚ましいものがあります。
毎年2月に行われるローザンヌでのコンクール。副賞のスカラシップは高額のバレエ学校の学費と入学権利なので喉から手が出るほどほしいもの。
バレエ学校ってどの程度費用がかかるかご存じですか?
イギリスのロイヤルバレエ団付属バレエ学校(熊川哲也さんもいました)で年間700万円ほど。学費、寮費、遠征費、舞台、備品、プライベートレッスン、生活費。あ、生活費いれたら1000万円はいくかも。
なのでバレエ留学は経済的に豊かか、スカラシップをとるかしか道はありません。
無料なのはスイス ローザンヌにあるルードラ(ベジャール主催のバレエ学校)くらいのもの。
これまでは国内のコンクールの数が少なかったことと、スカラシップが少なかったのとで、経済的な余裕がかなりあるご家庭の子女しかバレエを続けることはできませんでした。が、ここ10年、コンクールの数が増え、国際コンクールでの日本人の入賞が目覚ましいこともあり国内コンクールでのスカラシップの副賞も増え、また、バレエ学校の数も増えたことによりお月謝が手ごろになり質も高くなったことなど、ピアノに並ぶお稽古ごとの定番になりつつあります。
そんな中、MARUも4歳からバレエを習っています。
バレエのピークっていつだかご存じですか?
15歳から18歳が技術的なピークなんです。
かのフランス オペラ座付属バレエ団は40歳が定年で年金の支給開始。日本は65歳から年金支給開始なので、25年の開きがありますが、じゃあ、普通の人が脂がのる40歳はバレエでいうところの15歳。
ローザンヌコンクールも15歳から18歳。声楽や指揮、ピアノのように30歳近くなってもチャレンジできるコンクールはバレエにはありません。
表現はその人が積み重ねてきた人生が醸し出すもの。だけど、技術は18歳を境に落ちる一方。なので技術力がピークの頃にプロになるかどうかを決める必要があります。
国内も海外も中学生にはプロとしてバレエを踊るかどうかの決断を迫られます。
日本の場合は二つの道があります。
バレエ団付属のバレエ学校で研鑽を積み、そのバレエ団のオーディションに応募する。(当然、付属のバレエ学校出身者のほうが、バレエ団の考え方を理解し踏襲できるという前提なので合格しやすいです。)
もう一つは、コンクールで入賞し、スカラシップを得て、海外バレエ学校を経験し、海外のバレエ団のオーディションに応募する。こちらは、実力がものをいう非常にフェアな世界。でも、5年たつとほとんど残らないというほど非常に厳しいもの。プロとしてやっていける人は1万人に一人と言われる所以です。
MARUはバレエ学校を移ります。でも、彼女はプロのバレリーナになる決心をしているわけではありません。
だからといって、これまで積み重ねてきたレッスンは片手間のお稽古の範疇をかなり超えていて、先生を選ばないと満足はしないでしょう。
なので、次に移るバレエ学校は、①プロにならなくても受け入れてくれる ②プロになろうと思っても対応できる、そういうところです。この二つの条件はバレエ団付属のバレエ学校では満たされません。バレエ団付属のバレエ学校では中学生になると、バレエ団に残りたいかを日々問われます。なので、中学生になってもバレエ学校にいるということはプロになりたいことを意味します。よって、MARUの次に入るところは、いわゆるバレエ教室になります。しかもプロを養成できるところとなるとコンクール対策もできるところ。そして大事なのはコンクールありきではなく、バレエを愛する生徒も受け入れてくれるところ。
東京には数知れないくらいのバレエ学校、バレエ教室がありますが、この二つを満たせるところはそれほどありません。
次の土曜日は体験レッスン。MARUが通学するであろう中学校候補二つから通いやすいところでこの二つを満たせるバレエ教室と思われるところです。もし、私学に合格するならバスで10分。とても近い。
MARUに合えばいいのですが。いえ、どんな先生でも学ぶ姿勢を持つということは今のバレエ学校で学んでいますから、MARUがこの二つを感じ取ってくれればいいのですが。
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