名古屋で足止めをくらった。
浜松から掛川にかけて人が線路に入り、現場検証のため新幹線が止まっている。私が乗る予定の新幹線の他にもまだ名古屋を発していない列車があるので、あせる気持ちは特にない
仕事が順調だったこともあり、まあ、泊まってもいいかくらいの気になってきた。
今の会社に就職してからほぼ毎週出張しており、本を読む時間ができたのは嬉しい。ちなみに4月の出張は2週間で、札幌→滋賀→神戸→埼玉→佐賀→熊本→名古屋、である。新幹線でマイレージが貯まるなら、この1年でヨーロッパは行けただろうにと思うのだが、飛行機で国内を飛んでもそれほどマイレージは貯まらない。
地方巡業の日々もそうは悪くない。
前の会社は自宅から歩いて15分だったので本を読むことができないのがつらかった。
今の会社は本を読む時間をたっぷりとれる。
この1年、テーマを村上春樹と決めているので、むさぼるように村上春樹の小説、翻訳本、短編、エッセイと読みまくっている。同じ作品を何度も読むこともあるし、リライトした英語本も読んだりする。グレート・ギャッツビーは村上訳は断然いい。が、村上春樹も言っているように、原作はもっといい。あれは素晴らしいね。
MARUの生活のベースが青山なので、自然と最もよく使う駅が表参道になるのだが、この駅で従兄弟に会うことが多い。ホームのこともあるしエチカのこともある。
先日も、MARUを待ちつつエチカで村上春樹を読んでいたら、従兄弟に声をかけられた。私なんかより遥かに優秀で勉強もできるのに鼻にかけない従兄弟で、実は東大大学院から国費でヨーロッパに留学し、ドイツ語、英語が堪能という、経歴だけ聞くとキャリアウーマンの鏡なのだが、見た目は飄々とした不思議ちゃんである。
うちは親族が少ないかったこともあり、小さいころはショッチュウ、この従兄弟と遊んでいた。
小さいころはこの同い年の従兄弟とはあまり合わないと思っていたのだが、なぜか慕われ、奈良 斑鳩に住む大叔父のところに旅行したことがある。まあそんなことはいいのだが、小さい頃は合わなかったのに最近は会えば結構話す仲なのだ。
なので表参道で会ったときも結構嬉しく、互いに弾丸トークを短い時間にしたのだが、従兄弟は今、村上春樹さんの秘書をしているという。
今ちょうど読んでたよ、とも言えず、今年のテーマは村上春樹とも言えず、「へー」といって別れたのだが、すごいな、この偶然。
で、次の日、また表参道の地上でばったり。なんとも、この偶然。
彼女には会うだろうな、今の仕事は・・・と思いつつ、またいつかこの辺りで会うかもねと別れる。そう、生きてさえいればどこかで会うでしょう。待ち合わせして会うことはないけれど、どうしているかなと思う頃に会う仲なのである。
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さて、新幹線はまだ発しない。
今は「雨天炎天」を読んでいるがもうすぐ終わってしまう。
小中高とむさぼるように本を読み、図書館の貸し出しカードがアコーディオンのように連なる日々だったというのに、大学に入ったとたん、活字から遠ざかった。そしてMARUを育てることに必死だった間も活字から遠のいていた。
が、また読書の日々がやってきた。今は週に3,4冊のペースですね。これでも昔に比べれば少ないけれど。
速読法も試してみたけれど、私は舐めるように本を読みたい人間なので、この方法は今いちでした。表紙と裏表紙をじっくりと見て、解説を読み、前書きを舐めて舐めて、ようやく本編を読み始める。活字中毒。カバンの中に数冊入っていないと恐い。読み終えたときに次に読む本がないのが恐い。最近、そんな脅迫観念に襲われる。読み終わったとたん、瞬間的に次どうすればいいんだろう、と。なので常に本を読める時間を算定しつつ、その時間内に読みきれない本を持ち歩くようになった。なので常にカバンは大きくて重い。
さて続きを読みますか。
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