ひょんなことからAさんから電話がかかってきた。
ひたすら話を聞いていた1時間だった。
聞いてほしいとAさんは思っていたし、その時はそうすべきだと私も思っていた。
聞き終わった後で、とても切なくなる。Aさんは助けを必要としている。
でも、その助けを私が出していいものか慎重さが求められる。
治療が必要かもしれない。
とても大事な人だからほうってはおけない。
でも、責任なんてとれない。
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せき‐にん【責任】
1 立場上当然負わなければならない任務や義務。「引率者としての―がある」「―を果たす」
2 自分のした事の結果について責めを負うこと。特に、失敗や損失による責めを負うこと。「事故の―をとる」「―転嫁」
3 法律上の不利益または制裁を負わされること。特に、違法な行為をした者が法律上の制裁を受ける負担。主要なものに民事責任と刑事責任とがある。
[類語] (1 )責務・義務・任務・本務・使命・職責・重責・責め・務め
--------------------(「大辞林」より引用)-------------
私はAさんの家族ではないし、家族であったとしても責任なんてとれない。
とれるというならどうとるのか教えて欲しい。
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話の後、ベランダから空を見ていた。
台風の後で雲ひとつなく、青山の明るい空でも星空が広がっていた。
初めに目に入ったのはオリオン座。
昔の人はあの形からオリオンを思い浮かべたのだからとても想像力が豊かだったのだな、なんて思う。
この空をAさんも見ていればいいのに。
青山と違ってAさんが住んでいるところからはもっとたくさんの星が見えるはず。
この星空を見ていればいいのに。
Aさんへの責任なんてとれないけれど、無責任なことをしたくはない。
よかれと思い込んで動いたあげくどうにもならなかったということは避けたい。
慎重に。かつ、愛をこめて。
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